LPO(Landing Page Optimization)とは、ユーザーが検索結果から最初に辿り着いたページ(ランディングページ)を最適化する事によって、目的とするWebページへの誘導と牽引を明快且つ容易にし、サイトからの途中離脱や迷子等のロスを抑えてコンバージョンレートを高めるという方法論とその手法をいいます。
SEO(検索エンジン最適化)やリスティング広告(PPC/P4P)を駆使するSEM(検索エンジンマーケティング)が注目され、対策が講じられて来た一方、実際の訪問者への対策「ポストクリック」には十分な対策が払われている訳ではありません。検索結果の上位に表示させ、クリックさせる事自体が目的化し、本来のSEMの目的を見失っているケースが非常に多く見受けられます。
従来、インターネットに広告を載せればサイトへのアクセスが上がる、とされてきました。広告を出す事でアクセスが増える考え方は間違いではありませんし、事実、アクセスは伸びます。昨今、広告業界におけるインターネット広告の占める割合は急増し、毎年、前年比150%以上の伸びを記録しています。その中でも、特にSEOとリスティング広告によるSEMへの関心は高く、多くの企業が導入し始めております。
しかし、SEMへのイメージそのものが、あたかも検索結果の上位に表示させる事でその目的を達成している、と錯覚している現状があり、アクセスの数だけが先行しているようです。実際には検索エンジン経由でサイトに誘導して来ているにも関わらず、思った程の成果や反響を上げる事が出来ずにいる企業が圧倒的に多いようです 。
訪問したページ、即ち、ランディングページ上にユーザーが望み求める情報が含まれていなければ、ユーザーはそのサイトに関心を抱きません。また、乱雑な情報が入り乱れるサイトでは、訪問者はそのサイト内で迷子になってしまいます。求め得る情報を見付けられないと訪問者は別サイトへ離脱してしまいます。これではSEMを用いて宣伝をし、自らやって来てくれた潜在顧客を逃してしまう事となり、本来の目的である筈のコンバージョンへ結び付ける迄に至りません。
そこで直接的にコンバージョンへ結びつける為の効果的な手法として、ランディングページの最適化(LPO)、という考え方が生まれました。最適化されたランディングページを用意し、サイトを構築する事で情報開示性と誘引力を高めれば、ユーザーの離脱を防ぐ事ができ、大幅な見込顧客の増加が狙えるのです。
検索結果から訪れた訪問者が、その到着ページに来てからページを読む時間は約8秒といわれています。この間に求めている情報がない、望み得るニーズと異なる等と判断されてしまえば、そのままユーザーは立ち去ってしまう事になります。
ランディングページに辿り着いてから僅か8秒以内で離脱するユーザーは、実に40〜60%にも及ぶ、と言われおります。これはあくまでも平均であり、実際にはもっと短い時間しか滞在していないのが現状です。
仮に、1,000回のクリックがあっても、400〜600クリックは何の利益も生まない、意味のないアクセスとなります。1クリック9円とした場合、3,600〜5,400円が無駄、となる訳です。ページ離脱したユーザーには、欲する情報のないサイト、つまり、駄目なサイト、という印象を与え、尚、コストを浪費してしまう訳ですから、その損益は実際の費用よりも大きいものになる訳です。これはクリック数が多ければ多い程に、その損益は実費以上に大きくなる事を意味しております。
LPOとは、ユーザーの意図を汲んで、適切な広告とナチュラルリンクを設置し、ページ上に的確なコンテンツを配置する事でSEM本来の目的に応える効果的な動線を構築する施術です。つまり、検索結果の上位に表示された後のプロセスにおける最適化、それがLPOです。
LPOに関心が注がれる背景には、SEMの投下資本利益率(ROI)への関心が高まって来た事、検索クエリから判断するキーワードの意図をSEMが構成する各要素に反映させる事で性能向上が見込め、広告やリンクによるランディングページのコンテンツ構成に改善の範疇があり、より的確な処方でコンバージョンを伸ばせる事が判明して来た事実にあります。
コンバージョンレートを上昇させる事が出来た場合、リスティング広告に対して同額のコストを投じても、LPOの処方により顧客件数を伸ばす事が叶うのです。CPC(クリック単価)を下げる事でCPA(顧客獲得単価)も減少出来ますが、コンバージョン率の改善でもCPAは下げられます。これがSEMにおけるランディングページ最適化を望む真意なのです。
いわば、ホームページの構築において、最も重要な要素の一つなのです。